住宅ローンを検討する時、多くの方が気にするのは金利や毎月の返済額です。
一方で、「何歳まで住宅ローンが続くのか」を気にされる方は意外と多くありません。
しかし、本当に大切なのは完済年齢そのものではなく、「その年齢になった時に無理なく返済できる状態なのか」ということです。
最近は40年ローンや50年ローンも珍しくなくなりました。
そのため、30代で住宅を購入すると、70歳近くまで住宅ローンが続くケースもあります。
では、それは危険なのでしょうか。
実は、必ずしもそうとは言い切れません。
昔は「定年で完済」が当たり前だった
かつて住宅ローンは、定年までに完済することを前提に設計されていました。
30歳前後で住宅を購入し、35年ローンを組む。そして60歳で退職金の一部を使って繰上返済を行い、老後は住宅ローンのない状態で生活する。
これが一般的なモデルでした。
だからこそ、「35年ローン」という期間にも意味があったのです。
ところが現在は状況が大きく変わっています。
住宅価格が上昇したことで借入額は増え、同じ35年ローンでも毎月の返済負担は重くなりました。
その結果、返済額を抑えるために40年ローンや50年ローンを選択する家庭が増えています。
つまり、定年後も住宅ローンが残ること自体は、今では特別なことではなくなっているのです。
問題は住宅ローンではなく「退職後の家計」
ここで考えたいのは、「何歳で完済するか」ではありません。
本当に重要なのは、その時の家計です。
例えば65歳で住宅ローンが残っていたとしても、
年金収入や資産形成が順調で、生活費にも余裕があるのであれば、大きな問題にならないかもしれません。
反対に、教育費の負担や老後資金の準備不足によって貯蓄がほとんど残っていなければ、不安な老後になる可能性があります。
そのため、住宅ローンだけではなく老後の家計全体で考えることが、本当の安心に繋がります。
退職金を前提にしにくい時代になった
さらに昔と比べて大きく変わったのが退職金です。
以前は退職金で住宅ローンを完済するという考え方が一般的でした。
しかし現在は、企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCoなど、自分で老後資金を準備する仕組みが広がっています。
また、転職も当たり前になりました。
そのため、「退職金で何とかなるだろう」という考え方は以前ほど通用しなくなっています。
だからこそ住宅購入時には、退職金がいくらもらえるかではなく、「退職金がなくても成り立つか」という視点で考えることが大切です。
住宅購入前に「60歳の自分」を確認する
住宅ローンの安全な予算を考える時は、今の返済額だけではなく、60歳前後の家計を一度確認してみることをおすすめします。
・その時点で住宅ローンはいくら残っているのか。
・教育費は終わっているのか。
・老後資金はどれぐらい準備できているのか。
こうした全体像が見えていると、借入額に対する不安はかなり小さくなります。
逆に、今は払えそうに見えても、将来の家計を確認していないまま住宅ローンを組むと、「こんなはずじゃなかった」と後から気付くことになりかねません。
見通しを立てることで、順調に進んでいるのか、それとも修正が必要なのかを判断することができるというのは大きなメリットですよね。
最後に
住宅ローンの完済年齢に正解はありません。
60歳完済が正解の家庭もあれば、70歳完済でも正解の家庭もあります。
大切なのは、「何歳で完済するか」ではなく、「その年齢になった時に家計がどうなっているか」です。
もし、
「自分たちの場合はどのくらいの借入が安全なのか分からない」
「教育費と住宅ローンを両立できるのか不安」
「60歳以降の家計を一度確認してみたい」
そう感じているなら、一度将来のお金の流れを整理してみることをおすすめします。
住宅購入は、今の収入だけで決めるものではありません。
これから先の人生全体を見ながら決めることで、より安心してマイホーム計画を進められるようになります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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