住宅購入でもめる夫婦ほど、『家』の話ばかりしている

よくある失敗・リスク

住宅購入で夫婦がもめる原因は、価値観の違いだと思われがちです。

しかし実際には、そもそも、お互いが「違うテーマ」について話しているから、ということが多いように感じます。

例えば、

夫「駅から近い方が便利だよね」

妻「でも、その分高くない?」

夫「多少高くても今後値上がりするかもしれないし」

妻「それより教育費が心配なんだけど」

夫「共働きだから何とかなるでしょ」

妻「本当に大丈夫なの?」

こんな会話、どこかで見覚えはないでしょうか。

一見すると、住宅購入に対する考え方の違いのように見えます。

しかし実際には、住宅の話をしているようで、夫婦それぞれ全く別のことを考えているケースが少なくありません。

例えばこの夫婦の場合だと、夫は、

「家賃を払い続けるのがもったいない」

「家族のために早く住まいを安定させたい」

「今後もっと価格が上がるかもしれない」

といった、「理想の暮らし」を考えている。

一方で妻は、

「教育費は大丈夫?」

「子どもが増えたら?」

「働き続けられるかな?」

「住宅ローンが重荷にならない?」

といった、「将来の安心」を考えている、とします。

そうすると、つまり

夫は「どうすれば理想の生活を実現できるか」

妻は「どうすれば将来困らずに済むか」

という考えのズレが生まれているわけです。

これでは議論が平行線になるのも無理はありません。

住宅購入の予算は「家」ではなく「暮らし」から決まる

住宅購入の相談を受けていると、

「うちはいくらぐらいの家を買えますか?」

というご質問をよくいただきます。

もちろん、年収や貯蓄額からある程度の目安を出すことはできます。

しかし、本当に大切なのは「いくら借りられるか」ではありません。

「どんな暮らしをしたいのか」です。

例えば、同じ世帯年収900万円の共働き夫婦でも、

子どもを私立に通わせたい家庭と、公立中心で考えている家庭では、住宅に使える予算は変わります。

将来的にどちらかが働き方を変えたいと考えている家庭と、共働きを続ける予定の家庭でも違います。

旅行や趣味を大切にしたい家庭もあれば、住宅を優先したい家庭もあります。

つまり、住宅購入の予算は年収だけで決まるものではありません。

これから先の暮らし方によって決まるものなのです。

だからこそ、

「住宅ローンはいくらまで借りられるか」

を考える前に、

「自分たちはどんな生活を送りたいのか」

を整理することが大切です。

住宅購入の予算の決め方で迷ったときは、物件価格から考えるのではなく、暮らしから逆算して考えてみることをおすすめします。

本当に話し合うべきは10年後の暮らし

例えば10年後。

子どもは何歳になっているでしょうか。

習い事に力を入れているかもしれませんし、中学受験を考えているかもしれません。

夫婦の働き方も今とは変わっている可能性があります。

妻が時短勤務になっているかもしれませんし、転職や独立を考えているかもしれません。

親の介護が始まる家庭もあるでしょう。

旅行や趣味を大切にしたい人もいれば、教育費を優先したい人もいます。

こうした将来の暮らし方によって、住宅に使える予算は大きく変わります。

逆に、住宅購入で行き詰まりやすいのは、

「戸建てかマンションか」

「駅から何分か」

「何LDK必要か」

といった住宅の条件ばかりを話しているケースです。

もちろん、こうした条件も大切です。

しかし、その前提となる暮らし方が決まっていなければ、自分たちに合った家も決まりません。

住宅購入は家を買うイベントのように見えますが、実際にはこれからの人生設計を決めるイベントでもあります。

家計が見えないと、10年後の暮らしも見えない

とはいえ、「どんな暮らしをしたいか話し合いましょう」と言われても、なかなか具体的にはイメージしにくいですよね。

実際、住宅購入を検討されているご夫婦とお話していると、

「教育費が心配です」

「住宅ローンが不安です」

という声はよく聞きます。

ただ、詳しくお話を伺っていくと、

・教育費にいくらかかると思っているのか

・老後資金をどれぐらい準備したいのか

・将来の働き方をどう考えているのか

が、実は夫婦で違っていることも少なくありません。

そして、お互い何となく不安は感じているものの、その不安がどれぐらい現実的なのかまでは分からない状態になっています。

例えば、

「この住宅ローンは高すぎる気がする」

という不安があったとしても、

本当に住宅ローンが原因なのか、

それとも教育費が気になっているのか、

あるいは共働きを続けられるかどうかなのか、

実は整理してみないと分からないことも多いんです。

逆に、不安の正体が見えてくると、人は判断しやすくなります。

「思ったより大丈夫そうだ」

と安心できることもありますし、

「今の予算だと少し厳しいかもしれない」

と気付けることもあります。

大切なのは、感覚だけで判断するのではなく、一度立ち止まって不安を確認してみることです。

住宅購入は、今の生活だけで決めるものではありません。

子どもの成長、働き方の変化、教育費、老後など、これから起こる様々な出来事も含めて考える必要があります。

だからこそ、

「どの家を買うか」

の前に、

「自分たちはどんな暮らしをしたいのか」

を整理することが大切なのです。

最後に

住宅購入で夫婦の意見がぶつかるのは、決して珍しいことではありません。

むしろ、それぞれが家族の将来を真剣に考えているからこそ起こることだったりします。

ただ、

・何となく話がかみ合わない

・夫婦で話しても結論が出ない

・どちらの意見が正しいのか分からない

という状態が続くと、住宅購入そのものがストレスになってしまいます。

実際には、

「どんな家を買うかどうか」

で揉めているのではなく、

「将来のお金」

「働き方」

「子どもの教育」

「安心できる生活」

について、違うイメージを持っているケースも少なくありません。

もし、

「第三者の立場から意見がほしい」

「将来を考えると不安になる」

「夫婦で話してもなかなか結論が出ない」

当てはまるものがあれば、一度数字も交えながら整理してみませんか。

住宅購入は家を買うためのイベントではなく、これからの暮らしを決めるイベントです。

後悔のない選択をするために、まずは将来の暮らしから一緒に整理していきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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