気を付けたい、住宅ローン版“残クレ”の落とし穴

住宅ローンの選び方

住宅購入を考え始めると、どうしても気になるのが毎月の返済額です。

近年、住宅価格の高騰を背景に、月々の返済額を抑えられる「残価設定型住宅ローン」が登場しました。自動車の購入で利用される「残クレ(残価設定ローン)」に近い仕組みで、若い世代を中心に注目されています。

しかし、月々の負担が軽く見える一方で、住宅購入の予算を考えるうえでは知っておきたいポイントもあります。

残価設定型住宅ローンとは?

通常の住宅ローンは、借りたお金を少しずつ返済しながら、最終的に完済を目指します。

一方、残価設定型住宅ローンでは、将来の住宅価値をあらかじめ見込み、その金額を「残価」として据え置きます。

例えば5,000万円の住宅を購入し、30年後の価値を2,000万円と見込んだ場合、毎月返済する元本は3,000万円分です。

そのため、一般的な住宅ローンと比較すると月々の返済額を抑えやすくなります。

住宅価格の上昇によって「希望の物件に手が届かない」と感じている方にとっては、魅力的に見える仕組みかもしれません。

月々の返済額が安いと予算感覚が狂いやすい

残価設定型住宅ローンで特に気を付けたいのは、「本来の予算以上の物件を買えてしまう」ことです。

例えば、通常の住宅ローンでは4,500万円までしか手が届かなかった家庭が、残価設定型住宅ローンを利用することで5,500万円や6,000万円の物件を検討できるケースがあります。

月々の返済額だけを見ると、

「思ったより払えるな」

「この物件でも大丈夫そう」

と感じるかもしれません。

しかし、「身の丈以上の家を買えてしまうリスク」に気を付ける必要があります。

例えば、本来の適正予算は3,000万円なのに対して、残価設定型住宅ローンを使って5,000万円の家を購入した場合で考えてみましょう。

住宅ローン以外にも、固定資産税、、火災保険、修繕費、将来のリフォーム費は、住宅価格や建物規模に応じて大きくなる傾向があります。

つまり、

5,000万円の暮らしに見合った支出が待っているということです。

残価設定型住宅ローンの本質は、

「返済能力が上がる仕組み」ではなく、「高い物件を買いやすくする仕組み」

であるということですね。

そのため、残価設定型住宅ローンを検討する際は、

毎月の返済額の安さだけで判断するのではなく、住宅価格そのものが自分たちの家計に見合っているかを冷静に確認することが重要です。

将来その家をどうするのかも考えておきたい

通常の住宅ローンであれば、完済後はそのまま自分の資産として住み続けることができます。

しかし、残価設定型住宅ローンの場合は話が少し異なります。

ローンの終期には住宅を売却して残価を返済することが前提となるため、「老後もその家に住み続けたい」と考えている場合は、残価部分をどうするのかを考えておく必要があります。

まとまった資金を準備して一括返済するのか、住宅を売却するのか、それとも別の方法を選ぶのか。

もちろん、その時点で十分な貯蓄があり、柔軟に対応できるのであれば大きな問題ではありません。

しかし、老後資金や教育費の負担などで思うように資産形成ができていなかった場合、「住み続けたいけれど資金が足りない」という状況になる可能性もあります

月々の返済額が安いことは魅力ですが、将来の住まいをどうするのか、どう備えるのかはという選択に対して、備えておく必要があることは忘れてはなりませんね。

大切なのは「借りられる額」ではなく「安心して返せる額」

住宅ローンの商品は年々多様化しています。

50年ローンや残価設定型住宅ローンなど、以前では考えられなかった仕組みも登場しています。

だからこそ大切なのは、「どれだけ借りられるか」ではなく、「将来の生活を守りながら返済できるか」という視点です。

住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つです。

月々の返済額の安さだけで判断するのではなく、教育費や老後資金も含めた家計全体から予算を考える必要があるのではないでしょうか。

最後に

「自分の家計に合う住宅ローンの選び方が分からない」

「老後も見据えた適正な予算を知りたい」

「住宅会社や銀行から提案された金額が、本当に自分たちに合っているのか不安」

と感じたら、一度ライフプランを整理してみることをおすすめします。

中立の立場から、ご家庭の家計にとって無理のない予算なのかを、数字をもとに客観的にお伝えいたします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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