住宅価格の上昇が続く中、30代の共働き夫婦を中心に増えているのが「ペアローン」です。
特に最近は、
「1人の年収だけでは希望の家が買えない」
「今の家賃と同じぐらいなら払えそう」
「2人で働けば問題ない」
という理由で、夫婦それぞれが住宅ローンを組むケースがかなり増えています。
実際、ペアローンにはメリットがあります。
・借入額を増やせる
・夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる
・団体信用生命保険(団信)に個別加入できる
・希望エリアや希望条件を妥協しなくて済む
こう聞くと、「むしろペアローンの方がお得なのでは?」と感じる方も多いと思います。
ですが、住宅購入の相談を受けていると、ペアローンを組んだ後に家計が苦しくなる家庭には、ある共通点があります。
それは、
「今の共働き状態が、この先もずっと続く前提になっている」
ということです。
住宅ローンで本当に怖いのは、“今払えるか”ではありません。
将来の変化に、家計が耐えられるかです。
ペアローンは「収入が下がらない前提」の住宅ローン
ペアローンは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約します。
つまり、夫婦2人とも継続して働き続けることが前提になりやすいローンです。
もちろん、多くの方は購入時にこう考えています。
「私たちは共働きだから大丈夫」
「世帯年収900万円あるし問題ない」
「昇給もあるはず」
「育休後は復帰予定」
これは特別楽観的というわけではありません。
むしろ、ごく普通の感覚です。
ですが、実際には“予定通り”にならないことがかなり多いです。
例えば、
・出産後に働き方を変えた
・時短勤務になった
・保育園問題で転職した
・親の介護が始まった
・職場の人間関係でメンタルを崩した
・体調不良で休職した
・残業代が減った
・転職で年収が下がった
こうした変化は、決して珍しい話ではありません。
そして厄介なのが、「完全に収入ゼロになるわけではない」という点です。
月2〜3万円の収入減で崩れる家計は珍しくない
住宅ローン相談で来られる方の中には、
「もう払えません」という状態まで追い込まれている方は、実はそこまで多くありません。
むしろ多いのは、
「なんとか払えてはいるけど、毎月ギリギリ」
という状態です。
例えば、
・妻が時短勤務になって月3万円減収
・夫の残業代が減って月2万円減収
・保育料や教育費が想定より増えた
・物価上昇で食費や光熱費が上がった
こうした“小さな変化”が重なった結果、家計が崩れていきます。
特に危険なのが、
「毎月ほとんど貯金できない状態」
です。
住宅購入前は、
「ボーナスがあるから大丈夫」
「なんとかなると思う」
「みんなこれぐらい借りている」
という感覚だったとしても、実際に生活が始まると、住宅ローン以外にもお金はどんどん出ていきます。
・固定資産税
・火災保険
・修繕費
・家具家電
・車の維持費
・子どもの教育費
・旅行や帰省費用
家を買った瞬間に生活コストは確実に上がります。
その状態で、“夫婦2人がフルで働き続けること”が前提になっていると、変化への耐性が弱い状態となります。
共働き夫婦ほど「お金の実態」が見えていないことがある
また、共働き夫婦ほど、お互いのお金を正確に把握できていないケースが多々あります。
例えば、
・相手の貯金額を知らない
・毎月の支出を把握していない
・投資額を知らない
・奨学金やカード残高を知らない
・「なんとなく大丈夫」で進んでいる
こういう状態は珍しくありません。
特に30代共働き夫婦は、忙しすぎます。
仕事、家事、育児をこなしながら、お金の話をじっくりする時間を取るのはかなり難しいです。
その結果、
「世帯年収は高いのに、実は全然貯蓄できていない」
という状態になっていることがあります。
ですが、住宅ローンは“世帯年収”ではなく、“毎月どれだけ余力が残るか”が重要です。
年収900万円でも危険なケースはありますし、年収700万円でも安全なケースはあります。
違いは、
「家計を把握できているか」
「将来の変化を織り込めているか」
です。
「借りられる額」と「安全に返せる額」は違う
住宅購入時、多くの方が不動産会社や銀行でこう言われます。
「この年収なら〇〇万円ぐらい借りられますよ」
ですが、ここで注意が必要です。
“借りられる額”と、“安全に返せる額”は全く別です。
金融機関は、「今の収入」を基準に審査します。
しかし実際の生活では、
・教育費が増える
・働き方が変わる
・転職する
・親の介護が始まる
・物価が上がる
など、様々な変化が起こります。
つまり、本当に重要なのは、
「変化が起きても返済を続けられるか」
です。
ここを考えずに、
「今の家賃と同じだから」
「2人なら払えるから」
だけで決めてしまうと、後から苦しくなりやすいです。
ペアローンが危険なのではなく、“余力がない状態”が危険
ここまで読むと、「じゃあペアローンはダメなの?」と思うかもしれません。
ですが、そういう話ではありません。
実際、ペアローン自体は合理的な仕組みです。
問題は、
「夫婦どちらかの収入が少し下がっただけで苦しくなる状態」
で組んでしまうことです。
例えば、
・片方が時短勤務になっても貯金できる
・教育費が増えても赤字にならない
・急な出費にも対応できる
・片方の収入だけでも最低限生活できる
この状態なら、ペアローンでも大きな問題になりにくいです。
逆に、
「毎月ギリギリ」
「ボーナス頼み」
「共働きが止まったら即赤字」
この状態はかなり危険です。
住宅購入は、今の生活だけでなく、10年後・20年後まで影響します。
だからこそ、“今の勢い”ではなく、“将来の変化への耐性”で考える必要があります。
住宅購入前に、本当に確認すべきこと
住宅購入前に確認すべきなのは、
「いくら借りられるか」
ではありません。
本当に確認すべきなのは、
「どんな未来になっても生活が崩れないか」
です。
・子どもが生まれたら?
・働き方が変わったら?
・教育費が増えたら?
・転職したら?
・どちらかが働けなくなったら?
ここまで含めて考えておかないと、購入後に後悔しやすくなります。
特にペアローンは、“今の収入”だけを見ると成立してしまうので、危険に気づきにくいです。
だからこそ、第三者を入れて客観的に家計を見ることには意味があります。
実際、夫婦だけでは話しにくかったお金の話が、FPを間に入れることで整理できるケースはかなり多いです。
「相手に聞きにくかった」
「なんとなく避けていた」
「実はお互い誤解していた」
こうしたことが見えるだけでも、住宅購入の失敗はかなり防ぎやすくなります。
住宅ローンは、“借りる瞬間”より、“払い続ける期間”の方が圧倒的に長いです。
だからこそ、勢いで決めるのではなく、一度立ち止まって、
「この返済、本当に将来まで続けられる?」
を確認してみてください。
最後に
・この価格で本当に大丈夫なのか不安
・自分たちの適正な予算が分からない
・誰かに客観的に見てほしい
そう感じているなら、一度、数字で整理してみることをおすすめします。
住宅購入は、「なんとなく」で決めるには大きすぎる買い物です。
だからこそ、安心して進めるための確認は、感情ではなく数字で判断することが大切だということが伝われば幸いです。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
▶▶無料相談・お問い合わせはこちら

